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ブログと私

我が家にインターネットがやって来たのは、
私が小学六年生のときでした。
当時、すでに周りの友達がみんなパソコンを持っていたかは覚えていませんが、
たしかライフカードのコマーシャルで
「どうすんの俺!?どーすんのよ!続きはWEBで!」
などと言われるようになった頃です。
パソコンを持っていなかった私は続きが見れず、
「オダギリジョーは結局どうしたのか」と気にしながら、
「こんなCMやってるってことは、みんなはパソコン持ってるのかぁ」とぼんやり悲しんでいた記憶があります。 
そして親もオダギリジョーのその後が気になったのか、
ある日、パソコンを購入することになりました。
リビングからインターネットの世界に飛べるようになってしまった。小学生の私にとってはもう凄いことです。
小学校のパソコンルームでコソコソ見ていた「面白フラッシュ倉庫」や「赤い部屋」が家でも見れるということに興奮し、
そういったサイトたちを見尽くすと、
キーボードで文章が書けるということに感動し、
作家気取りで小説(もどき)やポエム(もどき)をメモ帳機能に打ち込んでは、保存しまくりました。
幼稚園の頃から、ノートに漫画や文章を書くのは大好きでしたが、
パソコンの中に保存されたメモたちと同じ、私以外の誰かに見せることはありません。
ただただ私だけのオリジナルの世界を作り上げ、
私が消してしまえばその世界はあっという間に無くなる、 けどその世界が私のすべて……。
という、要するにどこのクラスにも一人か二人はいる、
オリキャラが友達!という人でした。
つまらない一人の時間も、漫画とかのネタを作れるから最高の時間だと言い聞かせていました。
本当は、校庭で女子がやってるバレーボールに誘われるのを待ってました。
しかし、家でパソコンを触っているうちに、
検索のトップ画面に「気軽にブログ作成!」というような文字を見つけます。
試しにちょっと登録してみて、
「URLになるIDを決める」
「ブログタイトルをつける」
「テンプレートを選ぶ」
などという行程が次々に出てきたとき、
「アッッッ、楽しいやつだコレ!」と、
新しいゲームを買って村の名前を決めるときとか、
新しい漫画を描き始めてキャラクターの設定を決めるときとか、
あぁいうときのワクワク感が心の底から湧いてきました。
しかも、ここに書いた文字や載せたイラストは、
全世界に広がるネットの海に出港する……!
それから私は、
誰かに言いたいけど話す友達がいないときの独り言や、
学校で起こった悲しいこと、それに対する自分でのフォロー、
ニュースに対するとんちんかんな意見、
ポエム、漫画、オリジナルキャラの設定などなど、
今までこっそりノートに書いていたようなことをどんどんブログに載せました。
コメントなんか来ないけど、
機械的なアクセス数とか、自分で自分のブログを見まくってるせいで増えてるアクセス数とかを見て、
私は「誰かが見てくれている」と思い続けました。
その上での作品投稿は、快感でしかありませんでした。
だから再生数が低いけど一所懸命話しているユーチューバーの気持ちが痛いほど分かります。
誰かが見てくれている、そしていつかもっとたくさんの人が見てくれるかも、という未来にわくわくすること。
やがて、中学生になり、
ブログの前半の方が黒歴史として侵され始め、
削除しても削除しても間に合わなくなった頃、
「もっとネットの中で人気者になれるようなことしてブログを書籍化したい」
などという、
完全に「うちの3姉妹」に憧れた、自己顕示欲求が湧き上がりました。
そして始めたのが絵日記ブログです。
自分を「赤い目をした白髪の二頭身キャラ」で描き、
そんな風に容姿で大嘘をついておきながら
「ネットで嘘をつくのは恐い」と思い、
平凡なただの日常をクソ正直に、
ヘタクソな絵(当時はそうは思ってない)で四コマ漫画とかにしていました。
するとたまにコメントが来るようになり、
そのときコメントしてくれていた方が今でもツイッターのフォロワーさんとして繋がっていたりするから感動です。
私は飽き性で、
「新しいことやるぞ」と思うと形から入るので、
何度もブログを消しては作り直し、
その度にブログのテイストを変えていきました。
要するにどれも別にウケないし、人気者になんかならないし、長く続かない。でも楽しい。  
そしてひとつ前のブログは、もともと、
高校で作ったものなどをオシャレにまとめたポートフォリオ的な場所にしようと開設したものでした。
それもまぁすぐに続かなくなった頃、
私が、ネット史上最高に面白いと思っているオモコロさんで、
ブログ大賞なるものがあったので応募しようと、自分の顔を出した記事を載せました。
それが運良くたくさんの人に見ていただけて、
ブログ大賞ではポロリと落選したものの、オモコロさんにも拾っていただけて、
現実の自分をネット上の自分が上回ってしまうくらいの、
ハッピーインターネットライフに突入しました。
でも、現実の自分はなにもできない。
大学でも対して結果を残せず、本名のフェイスブックは全然友達がいない。
なんの能力もない。ネットには自分より面白い人だらけだ。
どうしよう。就活で悪い結果が届く度に、なんなんだ私は、と思う。
そして先日。
古本屋で、いっぱいいろんな人のコラムが載った分厚い本を買い、
「カッケー。こういう感じになろう」
と思いました。そう、バカのミーハーなのです。
新しいブログの目標は「文をいっぱい書く」です。
別に、それで将来が良くなるとか、人気者になれるとか、そんなことはもうさすがに思わないし、
いつまで続くか分かりませんが、
ただの憧れと、心機一転で。
新しいノート買った最初の1ページはきれいに書けるよね

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コメント: 6
  • #1

    やす (月曜日, 01 5月 2017 18:34)

    いつもオモコロとかご飯食べる記事とか楽しみに見ています。
    ご飯をおいしそうに食べたり、時折死んだ目をしたりするあぐみちゃん超だいすきです。ブログ飽きて次に行くのよくわかります笑
    あぐみちゃんは「なんの能力もない」と言っていますが、私はあぐみちゃんとっても面白いしステキだな〜、forever love…とおもって見ています。
    就活大変だと思いますが、応援しています。

  • #2

    いまめのようこ (月曜日, 01 5月 2017 22:58)

    あぐ味ちゃんの書く文章、とっても好きです*゜コラムとか読んで爆笑させてもらってます( *´ `*)

    これからも応援してますね♪

  • #3

    あずき (火曜日, 02 5月 2017 07:52)

    オモロコの記事とかで、いつも笑わせてもらってます。
    マイペースでやって下さい。応援してます☺︎

  • #4

    CLE (土曜日, 13 5月 2017 16:01)

    何者にもなれなくていいけど、「何者かになれてる感じのする他人」を自分と比較しちゃう感じが、なかなかの分かりみ具合で、いい文章だなと思いました。
    地味ーーに応援させていただきます。

  • #5

    こう (日曜日, 18 6月 2017 15:37)

    数年前にあぐ味さんのサイトを誰かの紹介で拝見して、そのインパクトに心を持ってかれました。
    そのときスクショしたのを頼りにずっと探していて笑
    なんと、4年ぶりにたどり着けました…!

    特に前のサイトの絵やイラストが本当に好きで、麺の小麦生地の話、、はちゃめちゃに好きです。

    あと、暗がりの写真に逃げるキャラクターと途中から追いかけてくるのが衝撃でした。
    当時、写真に描き込むって作品が珍しく、胸を打たれました。

    また絵の作品や過去の作品などあったら載せてほしいです(T_T)!

    そして書籍化も出来ますよう、これからも応援しています!

  • #6

    アグミノ.... (火曜日, 05 12月 2017 13:34)

    チンポ...